多重スクロール

平安神宮の前を通る帰り道

東山へ向かう道すがら

周りの木々や建物と

向こうにそびえる山が織りなす多重スクロールがたまらない

特に花が散り

緑が支配する初夏

一つ一つで主張する花と違い

圧倒的な質量で迫ってくる緑のグラデーションは

静かなのに荒々しく

すこし

恐怖を感じる


我が家はこの道を東果てまで走り抜け

寺院が立ち並ぶ壁の前で左折する

そこから一本だけ山側に入り少し北上したところ

静かで車さえあれば便利な地域だ

ここに越してから非常に仕事がはかどっている

Sanctum史上最速で次回のデザインはおろか

パターン発注まで完了

展示会は9月末から

ここからサンプルアップ

そして撮影

HPのリニューアル


進行が早いからといって安心している状況じゃない

それに加えて

神戸ammonのオープン

いよいよあと半月

これもまた予定通りに進んでいる

まさに多重スクロールの今年のmerph

静かに荒々しく

東山の風景の如く

苦しい時を置き去りにして

いざ

リトルグレイを知らない時代

地球外生命体

それも知的生命体の探索に人類最高の男が本気で乗り出した

スティーブン・ウィリアム・ホーキング博士

この人がALS(筋萎縮性側索硬化症)に侵されずに居たら

量子宇宙論はさらなる発展を遂げていたいかもしれない


最近

UFO番組とかなくなったのは

解明されていなかった宇宙の莫大な空白を

こういうど根性の博士たちが一つ一つ潰していったせいで

子供たちがちゃんと宇宙に理解をしているからだそうだ

残念なことに

四十超えたおっさんの方が未だにキャトルミューティレーションを信じている

小学生が語る地球外生命体ってのが

われわれいわば宇宙暗黒世代が語るリトルグレイとかではなく

ちゃんと微生物だってわかっているんだからすごい

友人の息子は

土星の衛星エンケラドゥスに生命体の可能性なんて目の色変えて話すらしい

それを聞いて

『夢がない』

『かわいくない』

なんていうやつがいたけど

流行りのゴシップに乗る方がよっぽど夢がない

くだらないUFO話こそ

本気の科学者たちの研究を適当に楽しませてもらってるおこぼれの娯楽

彼らのおかげで安い夢も見られるってのに随分な言い草だ


これからどんどん宇宙が姿を現してくる

まだまだ酒場で宇宙の話をすると

ゴシップ宇宙論のお馬鹿と一色単にされるのが現実

量子テレポーテーションを本気で話したいけど

同じ日本人で最もノーベル賞に近いと呼ばれる古澤明氏

完全な状態の量子テレポーテーションを成功させたことなど

まず

誰も知らない

われわれの世代は古澤氏より矢追純一が宇宙のアイドルなのだ

その方が楽だからだ

だからその世代が集まる酒場で最新の量子論や宇宙物理学の話をして

自分が宇宙人にさらわれたことがあるとか

人のオーラが見えるなんて話す

『意味の事実』に酔いしれる人間と同じに見られる侮辱には耐えられない

そうは言えど

わたしには博士たちのような脳みそが授からなかった

だから

『与えられた人々』に環境開拓を願うしかない
1日も早く

勉強もせず

知ろうともせず宇宙を汚した奴らから

宇宙を取り戻していただきたい


ホーキング博士の探索で全ての知的生命体に接触し

『あなたがたは地球にこっそり来ていましたか?』


自称UFOにさらわれた方が質問し

『地球人のジョークはきついっすね?』


会見の場を和ませる大役を果たしていただき

あとは本物に任せてもらいたい








煮える脳


1/60のミラノリブと裏に40/2の天竺をつけたVネックのカットソー

シンプル

しかし

それだけでは我々の立場が創る洋服として合格点はいただけない

何か価値のある工夫が施されているかいないかで

必要とされるかされないかが決まる

このカットソーはその仕事ができた言い切れる

ウール100%のミラノリブは

1/60の糸を使った二重編みニット

しっかりと重量感がありながら伸縮性にも飛んでいる

細く柔らかい糸だから比較的肌触りもいいが

所詮はウール

汗をかいた時の肌との摩擦感はどうしたって生まれる

そこを裏地に配した40/2の天竺がカバーしてくれる

着用時には見えなくなる着心地のための天竺にも

配色で楽しみを与えて店頭で飾られた時に目を引くようにした

デザイナーが様々な経験を積んで

自分なりに考えた自分の洋服の基準

それがそれぞれのレーベルの個性となる

merphにとってその個性を育む上で

店頭で洋服を直接手渡していく作業が

最も重要な要素となっていると思う

創るだけのデザイナーでは気づけないことがたくさんあった

店を持ったことは

正解だったと自信を持って言える


もうすぐ

その店が二つになる

当然興奮する出来事

さらに多くの服をしっかり考えて創っていこうと

今夜も静かに脳みそが煮えている












ammon祭り

夏が起動しました

先日の台風が梅雨を連れ去った様です

7月20日

今月も後1/3

この辺りで一度しっかりと告知を

2015年8月8日

11:30

神戸市中央区に我々有限会社Sanctumの”merph”と

合同会社エイチのバッグブランド”ORZO”の旗艦店

ammon

オープンします

当日は

京都から”御食事処乃 福松”に出張料理を依頼し

無数の黒ラベルとともに美味しい和食を召し上がっていただこうと思います

そして

肝心の洋服もしっかりと仕上がってきています

シャツは全品番

カットソーも仕上がりました

アウターもちらりほらり

料理と洋服

皆さまに楽しんでいただきたいと思います

おそらく一年で一番暑い夜

飲んだビールもすぐ乾くかと思いますが

ぜひ神戸元町の我らが旗艦店の船出に

ご同席ください

心よりご来訪

お待ちしております


ammon

神戸市中央区北長狭通3−11−13

tel:078−381−7527






一反も麺

これを食すと夏

さっぱりとした酸味のあるゴマだれの冷たい平うどん

その姿

一反もめんのごとし

そして

焼きなすがのっているのが素晴らしい

ごちそうさま


ただ飲みに福松へ行っていたのではない

昨夜はweb siteの打ち合わせ

ずっとほったらかしだった会社のHPをようやくリニューアル

SHOWROOMとの取引も始まったし

ちょっと今のHPではお粗末

自覚はあったけど頼みたい人がいなくて

一度ひどい目にあってるので慎重に気が合うというか

話ができて話がうまい人間を探していたところ

ようやく任せられる人間が現れた

もともと

数年前からお互い知ってはいたのだが

話す機会がなく

それが飲みに行くようになったそのきっかけも

確か福松のカウンターで隣になったからだったと思う

『飲みに行きましょう、今度』

実にストレート

それから数度と飲む内に

自然と彼にお願いすることになった

彼との打ち合わせは実に面白い

siteの内容というよりは

カウンセリングを受けるような感じ

僕の考えや趣味

嗜好と嫌悪

いろんなものを聞き出して

僕に合わせたものを創り出そうとしてくれている

全てを任せるといっても

向こうの出してくるものをこっちが受け入れるのではなく

全くその逆で

僕の中から引っ張り出しているような作業
彼が言っていた

『クライアントありきのデザインが格好よくなるか格好悪くなるかは

クライアントが格好いいか格好悪いかで決まる』

さらりとプレッシャーかけてくれる

出来上がったHPがどうなるか

私次第である

黒ラベル銀河

3連休だった

気がついたのは今日
お休みの皆さまはこの3日間で一体何本黒ラベルを飲むんでしょうか

僕は20本です


さて黒ラベルといえば

サンクタムの祭り

サンクタムの祭りといえば

そう

御食事処乃 福松

来る2015年8月8日

神戸ammonオープンの晴れの日

俺を呼ばないでどうすることか

そう大将が言うわけです

だから

神戸まで福松の近松

連れて行きます

黒ラベルを星雲レベルに携えて

8月8日

神戸の夜に黒ラベル銀河が生まれます


記念Tシャツに福松の料理に黒ラベル

そして十分にammonを埋めるだけの秋冬の新作が整って参りました

わたくしは前日前乗りで朝から星を飲み込みます

合言葉は

『丸くなるな、星になれ!!』

神戸でお会いしましょう




嵐とおにぎり

京都が荒れ狂っております

人生で始めて避難勧告を経験しました

勉強不足ですぐさま避難所へ行かなくてはいけないと思ったのですが

友人からメールで

『危険が迫ったら避難を』

という段階で

勧告の上には避難指示というものがあることを知りました

安心してる場合ではありませんが

それより問題は

自分がどこに避難するのかわからなかったことであります

慌てて調べました

避難所は家の前の通りを南へ抜けた小学校

覚えておきます


結局

雨は弱まり

避難指示が出ないままでしたが

自分には降りかからないだろうという油断は禁物

避難への意識高めていきます

祇園祭の山鉾巡行の夜に

とんだ大騒ぎ

ニュースを見て心配しているだろうと思い

一応実家に電話を入れた時の母の助言は

『おにぎりを握っておきなさい』


まあ少し緊張をほぐしてくれるコメント

言われた通りにぎっておいたので

朝食は必然的におにぎりと味噌汁と切り干し大根で決定


嵐はようやくすぎたようです

外が静けさを取り戻してきました

現在午前3時半
今宵はまだ仕事を続けます

小腹がすいてきましたが

おにぎりの誘惑に打ち勝ってみせます



rendez-vous

台風と山鉾のランデブー

何もこんな日に来なくてもいいのに

こういう友人います

みんなそいつを『憎めない』っていうけど

僕は素直に憎んでます

でも

そいつとはよく飲みに行きます


我が家は所謂

洛外

まだ世界が小さかった数百年前

世界(日本)の中心(洛内)からちょっと一休みする別荘地がこの辺り

銀閣寺が北に

永観堂と南禅寺が南に

東に法然院

西に真如堂

祭りの騒ぎは東大路まで

そこからさらに東に外れた鹿ケ谷は

台風の唸り声だけが響いています

おかげさまで

春夏の資料製作が随分はかどりました
連休明けの打ち合わせ

なんとか間に合いそうです

そういえば

昨日の昼間

雨風のほんの少しの隙をついて

蝉が鳴いていました

この台風が去った後

きっと夏が滲み出してくるんでしょう

大嫌いな夏の始まりを

冬服の納品を眺めて握りつぶします






ammonの偶像

ammonのオープンを記念してTシャツを作ることになりました

デザインを担当してくれたのは友人のアーティスト

鈴木淳子

これまでもmerphに尽力してくれている大事な仲間です

2014AWと2015SSのショートムービーに出演してくれている別嬪さん

絵を描き

馬に乗り

最近じゃスタイリストから幼稚園の先生までこなすタフなやつです

多忙の中

洒落たの上げてくれました

8月8日に30枚だけ販売します


毎度毎度

僕の一大事にはたくさんの友人が力を貸してくれます

だからね

いい店創らなきゃいけない

いい服創らなきゃいけない

そう思います

それしかできないし

そうしたい

将来に希望を持てるニュースが全く聞こえてこないこの国で

あえてこんなに難しい道を選んでおいて

弱音など吐いていたらすぐに得体の知れない

多分

大昔から悪魔や妖と呼ばれるものに飲み込まれてしまいます

だから

時々こうやって一大事を仕立て上げて

黒ラベルを大量に飲み干しながら

心底祝ってくれる人たちと一緒に騒いでみるんです

これを僕はお祓いと呼んでいます

悪魔や妖は自分の心の臆病で無責任な部分の幻

酒飲んで陽気に騒げば

あっという間に消えて無くなります

二日酔いとともに翌日また襲ってくる事もあるけれども

始めてしまった大事に追われて気にしてる暇もなくなります

それでも何年かたって逃れられなくなったら

また何か企てて仲間集めて黒ラベル飲んでお祓いです

とりあえずこれから数年

神戸のammonという護符に守られて

突っ走る事ができそうです

8月8日

灼熱の神戸

元町のちょっと路地を曲がった角っこで

黒ラベルをキンキンに冷やしてお待ちしています













anm2008

anm2008

4oz denimのシャツワンピース



白で展開したのに対し

秋冬はインディゴとチャコールグレーのウールジャージストライプ

ぐっと大人のワンピースに変身しました

ワンピースとしてだけでなく

フロントを全開にしてコートとしても使えます

生地を大量に使用しているので

迫力のある姿になるはずです



製品はノンウォッシュの状態です

洗い後の変化も楽しんでいただきたいと考えて

洗い加工はかけずにリリースしました


さてさて

祇園祭もいよいよピークを迎えます

今宵は宵宵山

明後日は巡行

三連休を挟み

来週は後祭

勢いよく京都の夏が押し寄せてきます

ここから来月の五山の送り火まで

それはもうひどい暑さ

何年住んでも慣れません