梅雨なのに快晴

北山への自転車通勤がいよいよきつくなって来た

諦めなければ

痩せられそうだ

六月も電光石火

暦が14日になってしまった

やる事が多過ぎてどれも中途半端になっている

おまけにこれから創るのは春夏の作品

秋冬の制作より多少気分ののせ方も苦労する

そこに来てこの高温多湿亜熱帯気候は足枷だ

でもそうも言ってられない

7月にはパターンの制作を着工しないと10月の展示会が破滅する

なので昨日はなんとか店の暇な時間に絵を5型描き上げた

スイッチさえ入れば

一度の展示会に出す60型など3日で描ける

ただ

そのスイッチの在処を探すのに時間がかかる

昔は夜中の黒ラベルが簡単にそのスイッチを入れてくれたが

最近では酒呑童子に見放され

ただ酔っぱらうだけになってしまった

新しいスイッチはおそらくこの北山の事務所のどこかに隠されている

秋冬のスイッチの在処はすぐに見つかった

アーロンチェアの座面にあったから

机に向えば次から次へとすらすらと

その上高精度の絵型があっという間にデスク一面を埋め尽くした

問題は春夏だ

先月からアーロンチェアに深々と腰を下ろしてはいる

だがスイッチは入らない

春夏のスイッチはどこだ

見つかるけはいすらない6月14日

20日までには

なんとか

曇天
午前中明るかった空はみるみる季節相応の不気味なこの姿
なんだか嫌な予感が延髄をなめた
そして
的中
今日は水曜
cassowary勤務
出勤から30分後
嫁さんから電話
仕事中の電話は何かしら緊急事態
電話に出ると嫁の声はかき消され
背後で聞いた事のない大きな声で息子が泣いている
ストッケに足が挟まって抜けへんねん どうしよう….』
足首が完全に決まっているから暴れると危ない
とにかく嫁に息子を固定させて
家へ急いだ
今日が北山でなくて良かった
マンションに着くと1階まで息子の絶叫がこだましていた
急いでリビングへ
母子揃ってで汗だくで泣いている
確かに足は完璧にキマってしまっている
汗のせいで座面に足がぴったりくっ付いている
急いで六角レンチを探し出しストッケを解体
ようやくもってレスキューに成功
1歳は小さな厄年
まさにその通り
40度の熱出した人生初の風邪に始まり
ロタウイルス感染
そして世界の名作に関節技まで決められた
次は何が起きる事やら
毎日息をつく暇もない
波乱の本日も先程ようやく落ち着いて
今 珈琲を飲みながら更新中
暑さも湿気も少しましな事にようやく気が付いて
強くしすぎていたクーラーを28度に設定し直した
もうすぐ17時
平日はここから忙しい
眠気覚ましの珈琲は役立たず
自力で残りの3時間を突破する

朝が来るたびに体の回復を期待するものの
一歩進んで二歩下がっていた1週間
ようやく本日
劇的に体調が戻って来た
幸福を感じるほど体が楽になった
ロタウイルス
二度と関わりたくない
しかし
失った時間は莫大
今日から取り戻すべく鉛筆を握るも
はかどらず
こういうときは無理をしない
cassowaryで珈琲飲みながらお客さんと時間を過ごす
そうすると思いがけず突破口がばっくり口を開ける
そうなれば
あとはそこに飛び込むだけ
今日もでっかい口が開いた
今日
cassowaryに立っていて感じた
ちょっと店の見栄えに飽きて来た
秋冬のスタートに合わせて少し何か考えよう
そう思った

息子から移されたロタウイルスが破壊した体中の細胞が
未だに不愉快な痛みと寒気を巻き起こしている

これほど体がきつい病気になったのは高校の時の風疹以来だ

昨日

少し回復に向っていたので

予定通り東京からやって来た若者2人と福松へ行って来た

奥のキツツキの様な男は塩内浩二

formulaの図案を繰り出す本職は映像などの作家

彼が創ったCMや広告やMusic Videoを皆おそらくどこかで日々目にしている

『最近 調子いいっす』

というのでおごってもらう事にした

手前は舘鼻則孝

地球で一番有名なあの歌姫LADY GAGAを虜にした男

彼の創る靴はおそらく皆見た事が有ると思う

若いのに落ち着いた思慮深い男

彼らとは歳が一回りほど違う

その年数の差が同じく物を創る人間としていろいろな違いに現れて来る

それを『若造が。。』と蹴散らすのは何とも

むなしい

先入観なく分からない事は分からないと聞いてみる

そうすればなかなかおもしろい話しが出来る

昨夜の共感点は

物を創る人間が優劣や嫉妬に執着するのは悲しいと言う事

執着すべきは自分の創る物自体

あんなに華々しく成果を上げる若い二人が

同じくそうおもっているのは嬉しかった

それにしても

この2人の若者はよく食べる

絶品ローストビーフを含む福松の満腹料理を平らげたあと

シンデレラエクスプレスに乗ってきた姫君の合流に合わせ

愛すべき先輩のベトナム料理屋を少し営業延長してもらって喰いまくった

東京から来た客が皆リクエストする店を2軒ともまわり

しっかり名物を胃袋におさめたはずなのに

最期にまだラーメン行ける雰囲気だった

ロタの襲撃にぼろぼろだった1週間も昨日でようやく終息

明日からいつもの生活が戻ると思う

この時期の1週間の消失は後に大きな遅れを生む

明日から必死に取り戻す

酔っぱらってスーパーに行くのは
良くない
ケチャップもマヨネーズもとんでもなく小さいのを買っていた
冷やし中華が食べたくて
キュウリとハムと卵とトマトを買ったのに
肝心の冷やし中華を忘れている
なぜか
味噌ラーメンと醤油ラーメンが袋に入っていた
ただ
特売の鶏胸肉を買って来た事は自分を褒めてやりたい
今夜はこいつで油淋鶏
6月6日
申し合わせた様に京都の空気が水分を含み出し
自転車通勤中にぶつかって来る虫の種類も変わって来た
じっとりとした空気を運ぶ南風は梅雨のプレビュー
もうすぐ自転車通勤が出来なくなる
梅雨が去ったとしても
真夏の35度越えの中
北山まであの重たいルイガノを漕いで行く自信が無い
たとえたどり着いたとしても
快晴の中土砂降りの雨を浴びた様に汗をかくだろうから
苦手だが暫く地下鉄での通勤となりそうだ
今日は水曜日
cassowaryの当番
1週間に一度の先発登板
店番しながらも抱えている沢山の仕事を消化しなくちゃいけない
進行している下半期の事業をしっかり組み立てながら
じっくり8時間 接客を楽しむ
六角からは比叡山は見えないし
用水路のせせらぎは聞こえないから
15時の睡魔に負ける事は無い
思う

昨日は忙しかった
6月 良いスタートをきれた
京都 大阪 福岡 名古屋
平日なのにご来店いただいた面々に感謝
楽しかった
今日も忙しくなる
張り切ってcassowaryの助太刀に向う
そう言えば
最近ふとcassowaryの賃貸契約書に目を通したところ
7/1で契約から丸5年を迎える事に気が付いた
オープンしてから通りすがりのご意見番気取りのおっさんに
『こんなやり方じゃ1年保たんぞ』
などとありがたいご忠告を頂いたこの店は
彼の願いもむなしく
更にきわどい方向へ向かいながら
5年も生き生きと成長を続けて来た
それもこうやって通ってくれるお客さんのおかげだ
ご意見番のおかげじゃない
『心配している』『応援している』とマジナイをかけて
口だけ達者な人間は沢山いる
僕は 馬鹿ではない
誰が本当に心配してくれていて応援してくれているかは
言葉などなくても 分かる
だからそれに対し正確な行動を取る事を毎日真剣に考えている
人の行動を勝手に『普通と逆』とか『変わっている』とか
なんで何かと比べるのか知らないが
僕は自分で考えた方法を責任を持って実行していく事が重要だと思う
よし
そろそろcassowaryへいく準備をしよう
今日も腰の爆弾と戦いながら
日が暮れるまで吉川君をからかいながら
楽しい土曜日にする自信が満ちあふれている
それでは後程

北山への通勤途中の一番好きな場所
この橋の信号待ちが好きだ
緑が力強く繁り
夏も悪くないと一瞬弱気になる
この橋を越えたあと緩やかな上り坂をひたすら濁流の様にさかのぼる
その道は夜になると大量の虫が飛び交う
先日家に帰り鞄をあけたら黄金虫が中から出て来た
右肩に『バチン』と当たったのそいつだったようだ
鞄に黄金が飛びこんだ
これは縁起がいい
その日のtotoBIGの抽選結果に期待は膨らんだが
高田純次から『次はあなたに幸運が届きます様に』
と慰められた
夏になるとビールが旨い
よくそう言う言伝えを耳にするが
あれは嘘だ
黒ラベルに限って言えば年中うまい
この赤星サッポロラガーもなかなかだが
やはり黒ラベルの生に比べるとペースが落ちる
でもこのラベルはかっこいいなあと思う
これをグラスに注ぎぐびぐび飲むおっさんは美しい
さてと6月1日
今日から3日間cassowaryの助太刀
シーズン末の6月
洋服屋にとっては“魔の”
いや “神の嫌がらせ(試練)”の6月
この6月の初日に助太刀をしなくちゃいけないのはありがたい事
今日から吉川店長の足手まといにならぬ様
ヘルニアの腰に鞭を入れ
最終回まで全力投球3連投
よろしくどうぞ

北山は朝から嵐
一度昼過ぎに晴れ間がのぞいたが
3時ごろから再び嵐
比叡山の向こう側にビシバシ雷が落ちている
昨日の天気予報は晴れだったのに
今見たら白々しく雨マーク
事後報告では予報の意味が無い
吉川君を思い出した
今日は工場へひたすら資材の出荷
長らく事務所の片隅に積まれていたお宝達が
いよいよ船出の時を迎えた
あいにくの嵐の門出だが
ふた月後に立派な洋服になって帰って来てくれるはずだ
ところで
中日の調子が良い
そんなチームに対し指揮官がこう言った
『勝ってるけど 強い気がしない』
ファンもそう思っている
そして原因も知っている
それは
おまえのせいだ
そう思うのなら ぜひ 早く辞めてほしい
采配をしないでほしい
席を立たないでほしい
あしたベンチに来ないでほしい
今 中日が勝っているのは選手の力
落合が長年積み上げたもの集大成
たまたま玉座に座った裸の大様よ さようなら
依然阪神が星野を引き取ってくれた様に
どなたか高木をつれてって

福松の箱庭もすっかり夏
そろそろこの縁側に蚊取り線香の香りが立ち籠める
週末には遠くからコンチキチン
祇園囃子のプラクティス
認めたくないが
どうやら本当に
夏だ
そのせいか 最近 少々酒の勢いが下り坂
前ほど欲しなくなった
家ではまったく飲まない
ま それでも一度飲みに出ればその量は人によっては致死量クラス
酔っぱらって撮った写真にとんでもない物が映っていた
この指先まで意識が行き届いた美しい手
美しい女性を想像する事だろう
しかしこの晩 僕はおっさん3人で飲んでいた
残念ながらこの美しい手はあのベトナム屋の大将のものだ
僕の飲みにいく相手は料理人が多い
物を創る人間とは話しやすい
それに同い年か年上だとなお良い
この夜も目をギラギラさせながら先輩の頭にずっといたずらをしていたらしい
年上の人間をからかうのが好きだ
この夜も当然 飲み過ぎた
さて作品紹介もお一つ
merph
MR2005(上)&MR2008(下)
シャンブレーにウールブランケットのパッチポケット
それから
リネンキャンバスにアンゴラカシミヤペンシルストライプのパッチポケット
ポケットに秋冬に生産する上等な生地達の残布を利用した
高い金かけて織ってもらった生地
無駄にはしない
エコには興味が無いが
もったいないおばけには会いたくない
merphの半袖物のシャツやTシャツには共通した特長がある
袖丈が少し長い
そして
細い
理由は2つ
通常の半袖丈と巾だと
上にジャケットを来たときなどに二の腕辺りで袖が引っかかってダボ付く
だからジャケット等の袖が曲がり始める辺りまで袖を長くしてある
もう一つは
嫁さんから二の腕を出すな
そう言われたから

この袖丈 評判がいい
騒ぐほどのアイデアではないが非常に重要な工夫だと自負している

本日心に蓋をした
夏が来た
これから毎日が憂鬱だ
祇園祭の頃には蓋を目張りする
桜鯛が紅葉鯛になる頃目張りをはずし
松茸の騒ぎがおさまる頃
再び蓋を開ける
年中冬ならいいのに
今日はcassowaryに立ち寄ってから
下鴨神社の方から北山に抜けて来た
城の様な家が建ち並ぶ金持ち専用通りを黒い疾風のごとく
いや
濁流のごとく駆け抜けた
橋のたもとで信号待ちした時
先日 学校をさぼった若き釣り人が居た辺りを覗き込むと
亀がぷかりぷかりと浮いていた
休日のとれる人間だったら暫く眺めていたかったが
あいにくそのような優雅なものは剥奪された身分
LEDが赤から青に変化したからペダルをこいだ
途切れる事なく続く仕事仕事仕事の日々
いつからだったかそんな状況にも慣れてしまった
『途切れない』
といえばMR3003
ベースのパターンパーツがほぼ1枚のチノーズ
多くの人に気に入ってもらえてsize1と3は即完売
残すところはsize2が3本のみ
この設計図は長年パンツを縫う工場でも何の型紙だか分からなかったと思う
まるで銀杏の葉のような展開図
指示書通り縫い上げてパンツになったのに驚いたはずだ
このパンツのパターンパーツが一つである事に
大した利点は無い
あとから気が付いた専門的な利点はいくつかあったが
着用感やシルエットに関して言えば『普通』
そう『普通』
それこそが『異常』なんだ
通常もっとたくさんのパーツを使い出来上がるものを
たった1つのパーツで普通のものが出来きあがるところが『狙い』
パッと見て分かる華やかさじゃなく
こちらから説明してようやく気が付く慎ましさ
知性的なデザインは僕の目指すところ
制限された条件でも
涼しい顔して作り上げるアイデアと技術がある事を自慢したかった
作り手側のちょっとした悪ふざけ
こういう制作はコミュニケーションの一部
これを創る事自体を楽しめたし
これを挟んでお客さんの目をグワッと開かせた
先日
またそんなアイデアを思いついた
すぐ電話で工場に相談
また楽しい日々が始まった
外に出たって押し付けがましい太陽が照りつけるだけ
太陽が少し反省し出す秋までおとなしく机に向ってシナプス全開