rainbreaker Ⅲ世


今年のrainbreakerは若草色

先日の雨が降った日にばっちり売れた

ストレッチが利く防水撥水透湿素材は着心地も快適
展示会に出品しなくともここ3年ずっと創り続けている

今回も直営だけでリリースしたが

卸先さんからも譲ってくれとオファーを頂き少し送らせてもらった

早速売れたと喜んでくれていた

少し冷えた月曜日

ただもう寒気の力も2日続かない

今日は再び春が制圧

目に見えない何かにやられて気管支が少し辛いが

桜の噂が聞こえて来る様になった

春だ


納品の早さには圧倒的な自信を持つmerphとしては

そろそろ12月の木枯らしが吹く頃やって来た

春の浮かれた作品達をおさらいする必要が有るかと思う

品番も揃ったので近く僕なりにコーディネートショットなどを

千葉の旦那で撮影してみようかと思うのだが

問題は展示会の準備との兼ね合い

それまでは暫く吉川店長が撮影した渾身のこちらをどうぞ



tag

ふと

このロゴ奇麗だなとおもった

真っ白の上に薄いカーキの

merph

凄く気に入っている


洋服のレーベルの名前は英語とフランス語が多い

だからひねくれ者としてはそういう言語を使いたく無くなる

前レーベル名の”lalu”もインドネシアの言葉

それでも国が定まると何らかのイメージが付着して来る

だから更に遡って

今はない国

今はない言葉からレーベル名を探した


たどり着いたのが印欧祖語

たとえば

光はleuk(ルーク)

派生した男名がLucasやCaesar


ジョージルーカスの映画の主人公だから

綴りは違うけどルークスカイウォーカーなのか?


印欧祖語に惹かれたのは音

なんだか琴線に触れる音に惹かれた

それで3年前

某大学の文学系学部に通う手下に図書館で『形』という言葉のご先祖を探させた

あの時”merph”を見つけたその子の興奮した連絡と

それを受けた僕の興奮は

あまり他の人には理解してもらえる物ではなかったと思う

わざわざ祝杯をあげた気がする

そんな感動的に巡り会ったこの言葉をどうアイコンにするか

絶望的にアイデアがなかった

ところが弊社の過去最高戦力

田和幸子がやってくれた

豊富にストックするフォントフォルダの中から

僕のかすかに思い描いていた文字を

すんなり飲込める色でさらりとメールして来た

一発採用だったと思う


かくして出来上がったこのロゴマーク

僕の創る洋服の延髄辺りにしっかり張り付けてある

肌触りがいい真っ白なコットンモールスキンの上に

薄いカーキの凸版印刷で

“merph”

僕の思い描く理想のタグ

気が向いたらこれにも目をやってみてほしい




今日は京都マラソン

どうやっても事務所にたどり着けない交通規制

早く来る予定が11:30まで自宅待機を強いられた

最後のランナーが北山橋を渡るのを見届けてようやく12時前に事務所に着いた

あの最後のランナー

僕らの方を見て手を振っていたが

そこに居た人々がみんな

ずっとその横断歩道を渡るのを待たされていた人々だと言う事を知らなかったのだろう

隣にいたご夫人は舌打ちをして睨んでいた


こういうイベントは必ずどこかに犠牲を伴うもんだ

ただ沿道の応援する人々の数から察するに

京都市が押し付けて来たこの行事をこの街は受け入れていない様だ

通行止めの警備員に罵声を浴びせる紳士

一旦丁寧に謝った後悪口を言い合うボランティア

ランナーに用意されたバナナをかすめるおっさん

ゴミを拾うために集まったのに愚痴を絶やさない係員

裏側は実にドラマティック

このくらいの事受け入れるゆとりを持つのは簡単な事だと思うけど

そうでもないみたいだ

友人が沢山参加しているし沿道で探している間に

ずいぶん嫌な物を見てしまった


気を取り直して雨の日曜日

北山の事務所でせっせと掃除して

まだ決まっていない諸々をしっかり慎重に決断して行く

明日はまた少し冷えるみたいだ

その後は順調に春

花粉やPM2.5におびえる人も多いだろうけど

春だから仕方がない

夏を憎む僕にとっては春の戯れ言など大した事はない




北山も春

過ぎ去った冬を惜しむ様に

事務所でウールに囲まれている
パターンも上がり始めいよいよ形に成り始める

このワクワクが苦しみながらも洋服を創り続ける原動力

次回の秋冬もコート乱れ撃ち

軽いジャケットやブルゾンを望む声も頂くが

描き終わったら全部仰々しいコートになってしまう

病気だ


突如始まった春

おかげで

我がゴーストタウン北山にも人が戻って来た

KAMMERにもちらりほらりと人が入って来てくれる

でもただいま納品物と出荷物で店舗スペースは酷い有り様

明日は少し早く来てまずショップスペースの復旧から始めようと思う

春が始まって浮かれてる世の中に世を向けて

店舗は夏の装いが溢れ

事務所の奥で冬を企む

なんだか一年中春夏秋冬に囲まれて

“しあわせ”

だと思う事にする


明日も温かい様だ

お時間有れば北山KAMMERへ

珈琲飲みながらcassowaryにまだ投入していない夏の服でも






深夜食堂

huluに加入して

夜の資料製作の時間

小窓をディスプレイの左上に備えてずっとドラマを見ている

今まで色んな物にはまってきた

FBI犯罪心理分析ドラマ

『クリミナルマインド』

素粒子物理学者達のホームドラマ

『ビッグバンセオリー』

ゾンビより人間の心が恐ろしい

『ウォーキングデッド』

そして今はまっているのは

『深夜食堂』

夜の迷子にとってこの物語はあまりにもあまりにもぐっと来る

ちょうど京都に来てからこんな具合に集まる店が僕らにもある

通常営業は立派な異国料理のレストランだけど

日曜日になるとふらりくらりと知った顔が集まって来る

乾いたいい音がするビンテージアコースティックギターが置いてあって

かつてのギター少年が代わる代わる十八番をかき鳴らす

安く仕入れた酒を延々と飲み続け

気が向いたら何かつまみが出て来て

けらけら笑いながらあっという間に夜が更ける

そんな事してる場合じゃないんだけど

気が付くとその店に行ってしまう

そこではこのドラマみたいに恋物語は見当たらないが

大将に色恋沙汰がないところだけはまったく一緒

いい歳こいた大人の面倒ばかり見てる


今週はウイルスの奇襲を受けてほぼ1週間寝込んだ3月のスタート

日曜日は僕らの深夜食堂へ行こう

だからお天道さんが睨んでるうちはしっかり仕事

皆さんも良い週末を

春秋冬夏

酒飲みがよく言う台詞

『酒を飲まないと人生を半分損する』

ところが酒を飲まない人がこう言う

『酒を飲むと人生を半分無駄にする』

双方とも強欲だ

もともと半分手に入れば御の字

半分以上欲したり無駄にしたりすると事件が起きる

等価交換がいい

『一神教』や『ワンピース』や『世界に一つだけの花』は苦手だ


春が始まったというのに

秋冬の野望に追われる日々を過ごす僕は

今日もせっせと絵を描いて

まだ形になっていない新作達のスペックを表に記入しはじめた

8年もやって来ると

絵が描き終わった時にだいたいの原価が頭に浮かぶ

それはたいてい外れないが

時々度肝をぬかれる程外れる事がある

安い方へ外れるのは歓迎だが

高い方へいくと血の気を失う

しかし

不思議なもので

後者は必ず我が直営店で

売れる


僕のクロッキーブックからその可能性を感じるものが徐々に形を成している

形を成す

“merph”

我ながらやっぱりいい名前を付けた

春物と呼べるもの納品が全て完了し

そろそろ夏物が上がり始める

そして

更にこれから真夏物も製作に入る

おかしな話だが

僕の企画はいつも夏だけ順序が狂う

春 秋 冬 夏

この順番でずっとルーティーンしている

一年で最もやる事が多いのがこの3月だ


事務所は混乱のインフレーション

始まった混乱は勢いを増して広がり続ける

どうにかしたいがどうにもならない

毎日が綱渡り

ただ広がる混乱の中に必ず選択肢は有る

それをがむしゃらに探しながら兎に角洋服を創っている

日曜日から体内を侵略していたウイルスも

ようやく免疫部隊が制圧に取りかかっている

今日から寝込んだ4日を取り戻す


やる気と黒ラベルの消費量は負ける気がしない





春到来


チノクロスを使った細身のスラックス

長年創り続けている形

気に入っているけどそんなに飛ぶ様に売れる品番ではない

でもこう言うものが僕の洋服のコーディネートの根幹を支えている

徐々にではあるけど

売れる様になって来ている


さて3月ももうずいぶん進んだぞ
日曜日から体調を崩し

昨日は遂に布団から出る事が出来ない状態になった

頭痛悪寒腹痛発汗

発症より4日経ちようやく今日は事務所に座っていられる様になった

外は20度近くまで気温が上がり

春の到来を感じるのに

またしてもフリースの端切れをかぶり

電気ストーブで足下から暖めながらデザインと生産と書類製作に没頭している

脱水症状なのか

手先が冷えて力が入らないので

今日は珈琲ではなくアクエリアスを飲みながら水分補給

どうにか明日には復活できる様にしたい


この週末は気温も天気も春満開のようだ

一足先に春を溢れさせたcassowaryは
充実の在庫状況
万全の状態で皆さんのご来店をお待ちしております

北山KAMMERも病み上がりのわたくしがのんびりとお待ちしてます

いつもよりずいぶん明るい我らの洋服をご賞味下さい


呪いと加護

いよいよ

Jリーグ開幕

今年のグランパスは恐ろしい事にジュビロとの開幕戦

前田がいる

6期連続前田が初ゴールを上げたチームがJ2に堕ちるという呪いが勝つか

観戦した試合は負けなしの浅田舞のご加護が勝つか

なんとか前田のゴールは防いだものの

結果は

1−1

ホームで引き分け

その上

闘利王が負傷交代

思った通りのFW不発

今シーズンはもう我慢するしかなさそうだ


今シーズン絶好調のMartial pants

格闘用のという意味でつけた名前

所謂カンフーパンツみたいな仕上がりのツラが

merph自慢のほぼ1枚のパターンパーツで出来上がっている作品

サイドにもバックセンターにも切替は無く

その上2方向に伸縮するサイロスパンストレッチの生地も加勢して

とんでもなくストレスフリーなボトムが出来た

そんな自慢のパンツを吉川が少々ピンぼけで撮っているのは見逃して頂くとして

ぜひ一度店頭にて体感して頂きたい一品


今週は嫌がらせの様に一気に温かくなる様だし

昨日まで来ていたコートを脱ぎ捨てる事になると思う

ようやくやって来た春

casswaoryは準備万端

完売間近の品番も現在追加生産進行中

これから一気にやって来る春

昨日からおかしい体調を早く回復させて

展示会までの1ヶ月

充実させて行く所存

雨のち吹雪

展示会の足音がはっきり聞こえて来た

送られて来る生地のサンプルや革のサンプルに一喜一憂

描き上げなくちゃいけないデザイン画が溜まり

夜中に資材の割り振りと計算を打ち続ける

体力と気力

共に相当消耗する

そのせいか

今朝熱が少し出た

体もだるい

このまま引きずり込まれるわけにはいかないから

出来るだけ温かい格好をして

足下から電気ストーブで暖を取り

真っ赤な両面フリースの生地の歯切れを

毛布の様にかぶって仕事をしている


そう言えば先日

16度くらいまで気温が上がり

油断していたら夕立ちの様な豪雨が降り

車の汚れは奇麗に落としてくれたものの

せっかく暖まった京都の春もそぎ落とされてしまった

おかげで昨日の北山は吹雪

3月だと言うのに一向にメルトンコートがしまえない

店頭は完全な春のトーンで占領されて

工場からは2013年春夏の最終段階の生産確認が飛んで来る

やはり

風邪ひいたの腹が痛いだの言ってる暇はない


今日も北山は少し冬の表情

南は晴れて幾分春の兆しが感じられるようだ

来週は一気に温かくなるみたいだし

なんとか問い合わせの多いあのシャツの追加が上がる事を祈る


地底の蝉

cardigan:MR4032_beige



粗挽きの杢天竺

それもかなりの甘編み

色も綾目に見える生地ヅラも僕の大好物

真っ先に在庫を押さえて今回の春夏に投入した

今回はこのカーディガンと

merph_animaでローブとAラインのカットソーを創っている

ボーダーも生産してmerphでVネックのカットソーを創った

ボトムは後ろ姿が迫力のあるコンビネーション

リンクでご確認を


さて

3月が始まった

昨夜午前2時

ふらりと先輩の洋服をwebsiteで拝見した

圧倒された

ほんとに嫌になる

追いつこうなんておこがましい事を考えてはいないが

せめて差は縮めたいのに

なんだかまたひらいてしまった様な気がする


確か

僕が彼に初めて会ったとき

彼はちょうど今の僕くらいの年齢だったと思う

既に数多くの取引先を全国に獲得し

いよいよ海外で羽ばたき始める

その時期だったと思う


僕はあの時の彼程の成功にはほど遠い静かな製作を続けている

でも

いつか彼に僕の洋服を見てもらいたいと思っている

酔っぱらったあの一言が

僕に服を創らせた

だから彼が突っ走っている間は僕も走っていないといけない

創っている洋服はポディションが違うけれども

昨夜見た洋服達は

僕に創作の意欲を与えてくれる大いなる服だった

まだまだひよっこどころか羽化もしてないのが僕の現状だ

鳥だと思っていたがどうやら蝉だったようだ

8年経ってしまった

そろそろ地上に出て背中をバックリわって羽を広げたい

ただ

その後が蝉の命じゃ困るけど