春待ち

リネンのシャンブレー

縦糸は薄いブルーと横糸は麻本来の色

春にしか着られない玉虫ファブリック

その生地で創ったのはショートトレンチ

僕の創るトレンチはフロントがバックリと割れる

それは下に着る服をしっかり合わせてほしいというメッセージ

色合わせだけじゃなく

線も合わせてコーディネートを楽しむ

Rと直線が絡み合う線の集合体

上記の写真はそれら全てが表現できているんじゃないかと思う
shirts:MR2017_beige

bottom:MR3018_white

爽やか過ぎるか

何年ぶりかに真っ白なパンツを創った

これが撮影で使い勝手の良い事

きっと普段もそうなのだが

やはり聞こえるのは汚れに対する心配
はっきり言う

白は汚れが目立つ

仕方が無い事だ

だから汚れたら必死になって汚れを落とす

それしか無い

でもこんなにかっこ良くなれるんだから穿かなきゃ損だ


まだ空から白いものが舞い散る2月末

そんな事知った事かと春の洋服が続々とコンクリートの部屋に並べられている

3月になっても雪が振りそうな西高東低だけど

きっと東が盛り返して春は来る

事務所の八重桜の盆栽にもつぼみがついた

春は来る

花粉や黄砂だけじゃなくちゃんとやって来る




beige

コーマギャバジンのbeige

美しい光沢にしなやかな生地の柔らかさ

バーバリークロスより少し接しやすい

この生地は3パーツのバルマカーンとショートトレンチにピンと来た

思った通りの仕上がり

特にひさしぶりに創ったショートトレンチは

店頭卸先問わず好調

出来れば追加したいがもう時期を逃した

残り少ない在庫を皆さんで取り合って頂こうと思う

そしてこっちはリネンツイル
大成功の別注生地

上のモータージャケットはcassowary limited

生産した生地が中途半端に余ったので駆け込み生産してみた

素晴らしい面構えとなり満足

下の写真はまたしても微調整を施してリリースのフードコート

今回は雨風ではなく砂塵や西の空から舞い降りる黄砂を払う役割を担う

ダスターコートと名付けてみた

製品はノンウォッシュだけど

是非一度冷水で軽く洗い

皺を伸ばさず干して

麻ならではの雰囲気を楽しんで頂きたい



春のbeige

いかがでしょう

今年のmerphはちょっと爽やかじゃないかと

魔王だのウツボだの重戦車だの黒魔術師だの

相変わらず巷では酷い言われようをしているが

こんな洋服も創れちゃうんだから

たまには優しいあだ名も付けてほしい


special thanks

tarokichi ogawa


crater pile

MR4035_off

展示会で個人オーダーが集中した品番の一つ

当然そういう品番は店頭でも爆発する

予てより

インナーで使える物が少ないと友人から文句を言われ続けている

我がmerph

制作者の欲求のまま上に羽織る物ばかりを発表しているため

この手のポディションをリリースする事が非常に少ない


なぜかと言えば

特徴的なデザインを要求される立場故に

シンプルなものはわざわざ僕が創らなくてもいいじゃない

そう

思っているからだ

ところが時々シンプルでも僕が絶対に創りたいと思う事がある

それは

とてつもなく素敵な生地が見つかったときだ

今回オフホワイトと杢グレーのムラのあるパイルを見つけた

この生地

高い

それでも余計な事をせず

シンプルに仕上げるだけできっと魅力的なカットソーになると確信したので

すこしだけ裾に遊び心を盛り込んで

Vネックの長袖カットソーを製作した

生地の魅力に頼りっきりの逸品

もう一色グレーがあるのだがなぜか吉川店長が写真をアップしてくれないので

後日もう一度ここで自慢する

生地の値段が高かったから少し上代がお高いけど

着心地

ツラ

絶品かと思う

長らくインナーが無いと文句を行ってくれた友人とお客さん

あなた方のおかげで良いのを見つけた

感謝


下記にリンクを貼ったサイトで

弊社吉川店長渾身のショットをご覧ください


他にも沢山春の新作がcassowaryに届いています

もうすぐ温かくなるそうです

いよいよ春の服の出番

宜しくどうぞ

merphを創る

無心になって絵を描いて

事務所を出たのは午前5時

強烈な寒さの中

凍結した北山橋を慎重に慎重に進んで自宅に帰って来た

すぐにも眠りたいがここから少し作業が必要なのだ

低反発素材って寒いところにおいて置くと超反発素材になる

凍ったのかと思う程ガッチガッチ

暫く電気毛布で暖めないと枕と呼べる物に戻らない

こんな事四条烏丸のマンションでは体験した事が無かった

恐るべし北山

結局眠りについたのは午前6時


昨夜は何も描けないと思っていたが

いざペンを握ってみたら

すらりすらり

次から次へと

merphの新作を描き上げた

こういう事はなかなか無い

だからみっちり机に向うしかない

無心に描いていてようやくペンを置いたのが午前5時

珈琲飲みすぎて胃がもたれている

今日も右手に悪魔が宿るか

それとも見放されるか

4月の展示会まで時間は限られている
急げmerphを創る人

Chief Petty Officer

海軍士官のチーフが着るジャケット

CPOジャケット

本来は軽いメルトンなどを使い方にエポーレットがついてたりするが

今回はシャツにポケットが沢山配置してある点だけを抜粋して

更に気軽にシャツのポディションで製作した

その上がりヅラはもう完全に軍隊には関係無くなってしまった

生地は綿麻のスラブ糸を使った柔らかいオフホワイト

そこに同じく綿麻のマルチボーダーで大きなパッチパーツを叩き付けた

クルミボタンも優しい雰囲気を加速させて

春らしいインパクトのあるシャツが出来上がったと思う

要のポケットは胸だけじゃなくここにもある

もちろん何かをずっと入れて使うと言うよりは

一次的にホルダーとして入れておく程度のもの

また

男性ならわかると思うが

何となく手を突っ込んでおきたい気分が落ち着くためのポケット

個人的にもこの存在は安心する

merphなりのCPO解釈

お試しあれ


なかなか春の訪れを感じさせない京都

でも寒さなど気にもせず

堂々と春の洋服を並べて今日もcassowaryとKAMMERは営業中

立ち上がりのばたばたも落ち着いて

納品もほぼ完了した2月末

ゆっくりたっぷりご覧頂ける環境

大したものではないけれど

飲めなくはない珈琲を用意してお待ちしてます

lumberjack

“lumberjack shirt”

そう名付けた
“work shirt”

ってのは少し味気なくて

樵のシャツと名付けてみた

ポケットを配するために大きく裁断した前身頃

以前からずっとパーカで行なっているこの方法をシャツに移植しようと思っていた

当初それが全然しっくり来なくて

8年経ってようやく上手く出来たと思う

最初に思い描いたのはもっと無機質なデザインだったが

それとは異なり

作業服としての発想を盛り込んで創ってみてようやくこの曲線に納得出来た

最も悩んだのはこの曲線の始まりの位置

アームホールから始めるか

肩のヨークのから始めるか

結果ヨークの中央から始めて頷いた


そこからはいつもの僕なりのバランス崩し

作業服だけどクルミボタン

選んだ生地はロンドンストライプ

ブルーはストライプが5mm幅ほど

ブラックは2.5mm幅

共にその逆は全然気にいらなかった

パターンも改善した

シャツは表現する要素が限られる

だから着心地だったり生地だったり

物理的なスペックに重きを置く必要があると考えている

それが今までなかなか出来なくて悩んでいたが

これも8年かけてようやく出来る様になった


一年で最もシャツが輝く季節がもうすぐやって来る

今年はその季節にようやくmerphもとけ込めそうだ

すでにMR2016はサイズ切れが発生している

なので大急ぎで工場でシーリングを押してもらって

3月の中旬目処で追加を創っている

シャツを創るのがこんなに楽しいのは僕の洋服製作の歴史で初めての事

ちょっと試してみてほしい




ゴーストタウンに帰還

自分が黄色い星になったのかと思う程
体中に染み渡ったサッポロ黒ラベルは
ようやく昨夜3時に抜けた
ひさしぶりに二日酔いじゃない朝を迎えて
今日から事務所に籠り
再び4月の展示会に向けて岩山をよじ登る
素晴らしい成果の代償は予想通り腰回りの筋肉の崩壊と
予想以上に貯まりまくった事務仕事の処理
2月が28日しか無い事が憎らしい
恨み節をつぶやいても何も変わらない
だから良い事を考えようと思う
今回の合同展示会参加は正直打つ手が無くて
兎に角出てみようと思ったのが期待以上の成果につながった
何もやらずに文句を言っても
神様はもうすぐその存在を科学的に否定される時代が来てしまう様な危うい存在
祈って願っているだけではやはり自分の世界は変わらない
欲しかったら願うんじゃなくて動かなきゃいけない
信じるなら自分の想像を信じなきゃいけない
だから信じてみようと思う
8年かけて積み上げて来た自分の洋服創りと僕を取り巻く環境
いつか何かに追われる様な日々から脱して
助けてくれている人に恩を返せる日が来ると信じてみる
ビルが建つ様な成功は想像がつかないが
今僕が創っている洋服はもう少しだけ世の中に旅立って良いんじゃないかと
そう思う
それを邪魔していたのは世の中だの大きな力だの言う言い訳
実際のところそれだけの事を僕がやっていないだけの事
8年前
目玉に可燃性の体液をたぎらせて
何かあればすぐに目玉に火をつけて
そのギラギラした眼で毎日誰かを睨みつけ
まわりをずたぼろにして自分も血だらけになっていた
そこからちょっと疲れて自分の殻に閉じこもり
狭い世界で傷つかない様に生きて来た
でもちょっと懐かしくなって外の世界を覗きに行ったら
案外僕が思っていたほど辛い世界じゃなかったみたい
もう少し信じる人を増やしてみよう
そして今の自分に出来る新しい立ち振る舞いをしてみよう
間違ってなかった事はそのままで良いと思う
ただ最初から正解の無い事に白黒つけるのはやめてしまおう
4月
また知らぬ間に桜が咲いてすぐに散る
今年も花見などする暇も無く
東京のどこかで10日間
必死に自分の洋服の居場所を探してる

道玄坂

東京から戻った
3日間の合同展示会
代々木第一体育館で腰崩壊の立ち仕事

初日が沈黙に終わったが

2日目からは怒濤の名刺交換ラッシュ
merph_animaだけの発表だったにもかかわらず
merphにも取扱オファーをもらった
新規の取引オファーを沢山もらった事も嬉しかったけど
ちょっと嬉しい事があった
中日ファンの後輩武井咲を間近で見た
それも嬉しかったが僕をもっと喜ばしてくれたのは
品の良い白髪の男性
『間違いなく君がこの体育館で一番だ』
その人の正体は言えないが僕が浮かれるのに十分な人
それから次々と取引のオファーが舞い込んだ
自信がついたせいだろうか
ちゃんと創って来て
良かった
武井咲
可愛かった
それからもう一つ嬉しい事があった
僕の洋服創りの歴史に
ずっと関わり続けてる青年がまた1人新しく物語を始めた
渋谷のパルコの直ぐ近く
4階建てのビルを丸ごと自分たちの遊び場に仕立て上げた
南米の血を引くいつも陽気な彼がある夜酒を飲みながら
真剣に将来について話してくれたあの日から4年かな
本当に彼は約束通りの将来を現実にして
既に過去にし始めている
素敵な仲間に囲まれて大きな声で笑いながら生きていた
おめでとうDavid
僕も頑張るぞ
東京で手に入れたエネルギーを早速燃やして
次は4月の展示会に向けて走り出す
繰り返すこの大仕事がやがて新しいエネルギーの源になる
また4月東京で強者達とうまい酒が飲める様に
全力で洋服を創ろうと思う
関係各位
宜しくどうぞ

東京に行く前に
卸先で好調な作品を紹介
マーシャルパンツ
サイロスパンというストレッチの非常に効く生地を使い
パターンパーツが2つで構成されている設計図をアレンジして創ってみた
フロントの生地の目の方向がバイアスになるので
ストレッチがXの字方向に伸びる
これが想像以上にストレスを解消して
なんとも軽い着心地と動きやすさを手に入れた

バックサイド
裁断が無いために面構えも独特になる
シルウェットをお見せできる写真が手元に無いのが残念だ
なので
是非店頭でお試し頂きたい
屈伸運動も試してほしい
卸先からすぐに追加オーダーが来たのはこの品番だった
cassowaryはボトムの販売が弱い
はおそらく吉川の手抜きだと思う
試着に一番労力を費やすボトムの販売は難しい
今日も美しいチノスラックスとデニムのスラックスを納品して来た
そのスラックスは穿けばほとんどの人が購入する魔法のシルウェットをもっているのに
僕を信じてお試し頂きたい
宜しくどうぞ
それでは東京
行ってきます

日付が変わった
まだ
事務所にいる
週明けから参加する大きな合同展示会に向けて
資料の制作とどういうプレゼンをするか
ずっと机に向って考えている
今回はwomen’sだけなのだが
通常の展示会より2ヶ月早いこのタイミングの発表は
一工夫必要だと思う
ただ
サンプルは凄く良い
メルトンの3型はどれだけでも見つめていられる
ビールを飲んでやろうか
そう思う程だ
短い時間でよく出来た
工場に感謝だ
もうすぐ1時になる
そろそろ帰ろうかとさっき外を見て驚いた
雪が積もっているじゃない
金曜日の夜
北山とはいえ少しは人の声が聞こえるものだが
やけに静かだと思ったらそういことだった
明日は展示会に向けて荷物を出して
今日届いたカーディガンをcassowaryに納品しに行かなきゃ
人手が足りないけど
やるしかない