牡蠣納め

日曜日いつもの店に行くと

久美浜出身の友人が大量の牡蠣を手に入れて

牡蠣パーティーが開催されていた

ありがたく仲間に入れてもらって

火を通しても縮まらないとんでもない弾力の牡蠣たらふく頂いた
最高に旨かった

最後は厨房に入り

牡蠣とネギのオイルパスタを製作

ニンニクとオリーブオイル

少しだけ隠し味に南国の醤油を入れて

大量製作だったがまずまずの出来だった


ふらりと立ち寄ったいつもの店で

すっかりご馳走になった上

ストレス解消も出来た

有り難う剛

洗濯日和

絶好の洗濯日和

朝からAWのサンプルを事務所で手洗い

まだ水は冷たい

それを慎重に絞って干して

手がぷるぷる震えている

まだ7割

まだこれから続々とサンプルがやって来る

新潟からは黒猫がコートが運び

京都の山の向こうからは飛脚がワンピースが運ぶ

桜も咲いて春がようやく加速した北山

真冬の準備を進める昼下がり
不安と期待がワンプレートのセットになって乗っている
さて13時

KAMMER

開始




満開未満

あっという間に咲いた

2日前までつぼみだったのに

北山にもようやく前線がやって来た様だ


かといって花見などする時間も無く

昼間に少し観に行ってみたものの

目のかゆみと喉のイガイガに素早く退散

本日の花見1分2秒で終了

春の楽しみをまったく堪能できない人生は

まだ暫く続く

なかなか春の陽気が安定しないが

さすがにしびれを切らしてか

ちらほらこちらのシャツ着用してのご来店が増えて来たそうだ

心の臓に弾丸を撃ち込まれたかの様に

どす黒い血の塊が左胸にベトリとついた


小さな主張がシャツとしてバランスがとれたなあと思う

それにしても三月があまりにも不毛だった

もっといろいろと出来たはずだ

普段から思い通りの日々を過ごしているわけではないが

この3月は兎に角上手く行かなかった

4月全てを取り戻さなくちゃ行けないが

あまりにもやる事が多過ぎる

右腕となるべき南の門番はずっとしびれたまま使い物にならないし

田和がいなくなった北山は既に完全に事務所化している

北山もしっかり店舗運営したいのだが

まだまだ僕らには時間がかかる

でも

やるしかなし

展示会の期間だけお許し頂き

それが終わったらしっかり店を組み立て直す

『北山にこっそり良い店がある』

そう言われるようになってみよう

よし

そのためにもしっかり展示会の準備だ


エアポケット

サンプルの発注が一通り終わってから約1週間

事務所はそれまでの混乱の傷跡と共に

ぴたりと動きが止まり

耳鳴りが聞こえる静けさを取り戻す

そのど真ん中に

本当に何も届かず

何も送らず

誰も来ない1日が有る
昼飯を食って

珈琲を飲んで

アーロンチェアの背もたれを解放して

暫くボーと天井を見ていた


ただ

それは一昨日の事

昨日からじわりと慌ただしさの波が打ち寄せて

また落ち着かない磁場が事務所に波及し始めた


この期間に休みを取れば良かったと言われたが

普段から休みを取らない人間が休みを取ると

やる事は決まっている

仕事をするだけだ

休みは何度もとろうとしたが

不安で休めない

病気だと思う


三月をまた電光石火で消失して

もうすぐ4月をまた駆け抜ける

東京の展示会が晴れ晴れしい気持ちで終わる事を祈る

帰りの新幹線で

いつも食べる幕の内弁当に黒ラベルをつけるかつけないか

もう少し時間があるから

黒ラベルのために出来る限りの手を打ってみる


井端


チノクロスで細く奇麗なスラックスを創った

パンツに関して

コートやカットソーと同じ感覚でデザインをするのは無理

そうしたくも無い

もちろん少し代わった物も時には創る

でも

それら全ては特定のコートやジャケットを思いながら製作している

このMR3018は遡れば前に勤めていたレーベルにルーツがある

それを僕なりに創り直し

何年もかけて少しずついじりながら

そうだな

彫刻みたいな作業

そして何年もかけて

このフォルムに成った

特にへんてこなところはない

ただいろいろ拘ってはいる

バックポケットの位置だったり

持ち出しの長さだったり

そして何より

この横からの面構え

腰から踝までの身体の隆起の頂点を直線で結んだストレート

奇麗に仕上ったと思う

来年も再来年も

きっとこれは創り続ける

大きくオーダーが付いたりはしないけど

大事な作品だ

今年はいつもより少し売れていて気分がいい

100着売れたコートだって

10本しか売れないパンツだって

同じ時間がかかっている

派手に大きなホームランは打たないが

ここぞという時にしっかり仕事をする

このパンツは言わば

merphの井端




柄々と爛々

こんなにシャツを創ったシーズンは初めてだな

それもチェックにボーダーそしてストライプ

ガラガラだったシャツ品番が今や柄々

ジャケットとコートの在庫が尽きるこれからのシーズン

毎年困っていたが

今年はシャツがある

春満開

北山橋の信号待ちで出くわすこの花

なんだか化け物に見える
気に食わない匂いを発しながら風にそよぐ姿は下級の妖怪のごとし

花が嫌いな僕はいつもそんな目で彩る奴らを見ている
自己主張の強い花弁どもの繁栄が終わり

緑のグラデーションになる季節が待ち遠しい

その頃には仕事も落ち着いて
一年で少しだけ気を抜ける2週間がやって来る

早く散ってしまえ


今日は事務所に大物のサンプルが届く

それが待ち遠しくて6:49に起きた

確か眠ったのは3:00頃だったと思うが

目玉が爛々として居る

バイキンマンどころの騒ぎじゃない

スペインの子羊の生革を剥いで創ったロングコート

早く見たい

早く着たい

苦しんだ製作期間の終わりを告げる至福の時間

これから1週間

形を成した我が作品に静かな北の事務所で酔いしれる



八重の桜

昨年のちょうど今頃

事務所の移転祝いに頂いた数多の酒を飲むために

友人達と何かつまみを持ち寄り事務所で宴会をした

その時

どうせなら花見にしようと通販で桜の盆栽を買った

ところが花に興味がない僕が選んだのは八重桜

4月末から5月頭に咲く桜
花見はその枝を見つめるだけのものとなった

ただ

その咲き頃ならば展示会が終わってから楽しめる

田和にしっかり面倒を頼んで2週間の展示会に出かけた

話が違った

これが出発前夜4月7日にとった写真

僕の受けて来た教育が間違っていなかったのなら

4月7日は4月上旬だ

田和の愛情が十分過ぎたのか

日当りの良い事務所の気温に体内時計が狂ったのか

1週目の展示会が終わった週末

田和から『満開』の知らせが入った


東京から戻った僕の目の前にあった八重ちゃんは

立派な桜餅に成れる大きな緑の葉っぱをつけていた

その葉を見ながら

来年こそは

そうつぶやき毎日霧吹きで水をやり

時々肥料も与えて

僕なりの愛情を注ぎ込んだのだが

乾いた細い枝に生気を感じない

ここから奇跡の大挽回はあるのか

のぞみは薄い

中日 吉川 八重桜

どれか一つでもどんでん返しを見せてほしい


新ギター少年

展示会のDMが上がって来た

今回は友人のレーベルと共同開催

会場はレンタルレストラン

夜な夜なそこで宴会が開かれる

大変な展示会になると思う

昨日壊れていたショートスケールのアコースティックギターを修理した

以前友人から誕生日にもらったMORRISのギター

全然弾かず事務所の倉庫にしまっていた

去年の秋だったかな

よく行く豚の串焼き屋さん『風味堂』で

塾帰りの次男坊と話していたら

親戚の兄ちゃんがデビューして

そのライブを見に行った事を興奮しながら話してくれた

『むとうりゅうすけ、めっちゃかっこよかったで、むとうりゅうすけ』

あまりの興奮ぶりに元ギター少年の中年も興奮して来た

『ソウタ、ギター弾ける様になりたいか?』

僕がたずねると

『なりたい!絶対になりたい!』

前のめりに大きな声で訴える

『でもな、ギターないねん』

一気にしぼむちょっと大柄の小学生

『ちゃんと練習するか?』

うつむいていた顔を俊敏に上げてまた突っ込んで来る


『する!絶対に練習する!』

暫く目玉を見つめてみる

『良し、おっちゃん壊れてるギターがあるから、それ直しておまえにやるわ』

目玉が飛び出るくらいに瞼を広げ

『マジで!いいの!?』

ギラギラだ

『その代わり、絶対諦めんなよ』

ソウタは少しにやつきながら言った

『あたりまえやん』


忙しくてちょっと時間がかかったけど

昨日ようやくそのギターを元の持ち主の許可ももらい

晴れて未来のむとうりゅうすけに手渡しに行った

間の悪い事に

ソウタは風邪をひいて寝込んでいるらしく店に来てなかったが

夜中にお母さんのFACEBOOK経由で伝言が届いた

『ギターありがとうございます。うまくなります。』

今年中に風味堂でライブをするそうだ

たのしみにしているぞ

ソウタ

鮮度

実は

事務所には既に半袖やショーツがどっさり上がって来ている

ピッチに立つのを今か今かと待っている

これから事務所に届く作品は夏の衣

12種類のTシャツに

ショートパンツやシャツ

それからレイヤードベストも別の生地で製作してみた

裏地を天竺にしたのは大正解だ

花見が終わる頃

この夏の戦力を一気にリーグ戦にデビューさせるつもり

店にも鮮度が肝心


リーグ戦と言えば

名古屋出身のわたくしにとって

2013年はつらい一年になりそうだ

打てない外国人選手を大量補強したドラゴンズ

未来を見据えた期待の若手は揃っているが

現状の前線が点を取れないグランパス

青い龍と赤い鯱が共に頂点に立ったあの夢の様な2010年がなつかしい

グランパスはこれからが楽しみだけど

ドラゴンズは不毛を生み出す老人に話題が集まっているだけで

真っ暗闇な谷底に滑落して行く様だ

ユニホームも奇麗なRDB(ロイヤルドラゴンズブルー)から

なぜかネイビーになってしまった

洋服を創っている立場から

あのネイビーと赤のコンビネーションは素晴らしいと思うが

日常をかけ離れた闘いの場に安定は要らない

監督代わってほしい

谷繁プレイングマネージャー

井端プレイングコーチ

山本昌レジェンド

正直

暴走老人

出る幕無し

オープン戦ここ8試合0勝7敗1引き分け

40年近く見て来たが

こんなに弱い中日は見た事がない

今年は金に物を言わせる横取り球団にさえこてんぱんにされそうだ

横浜銀行

甲子園信用金庫

今まではこの2行から借入して

東京展示会2つ(巨人とヤクルト)と戦って来たが

きっと今年は貸し渋る

それどころか過去数十年の取り立てにやって来る

最近じゃ横浜でも甲子園でも

主力が元ドラゴンズ

シンボルの”D”の字まで今や示すのはDeNA

最下位の薫る2013年春

今年は10月の展示会で東京ドームにいく事はない

仕事にのめり込ませてくれて有り難う

古の名選手 高木守道

自滅采配の暴走老人 高木守道

才能に嫉妬した権力者と老人の招いた崩壊への一本道

中日ファンはクーデターを待っている

敵は名古屋に居る

名古屋にも鮮度が必要だ

RDB

ロイヤルドラゴンズブルーのケースだけは既にあるのだが

一日中携帯が鳴り止まないこの時期に

機種変更などやっている場合じゃない

せめて土日

関係各所が休みの間に換えに行けば良いのだが

ゴーストタウン北山と言えど

土日のauショップはそれなりに繁盛している

それから

やりかけのファイナルファンタジーがiPhoneに変更して継続できるのか

それも気になるところだ


展示会前にぽっかりとエアポケットみたいにやる事が無くなる時期がある

必死に企画した新作の資材を工場へ送り

それが縫い上がって来るまでの数日間

ここは以外と静かな時間が流れる

今日も少し工場から捜索願が届いたが

それ以外は至って平穏

ふらりと北山の春を感じに外に出ようと思ったのだが

今年はそれが出来ない

完全に花粉症

疑いの余地無い目のかゆみ

気管支の違和感

くしゃみの猛打賞

運送屋のおっちゃんが入って来るだけで目頭は熱くなり

打合せに来た工場の兄貴が運ぶ粒子に

くしゃみが脚の先から湧いて来る

どうして

38年間何事もなかった免疫システムが急に今年アウトブレイクしたのか

北山に越した事が関係あるのか

いずれにせよ

この目頭の非常事態は得意の酒治療も効かない大問題である

本当に

つらい