13時の静寂と時々サマータイム営業

旗艦店のある堺町六角の交差点は
年中多くの人が通り行き交います
京都ならではですが
チェックアウトの10時ごろから
チェックインの15時まで
多くの来客があります
そして17:00ごろには皆さん目当ての料理屋に向かうので
来店数がぴたりと止まります
これが私の出勤日に16時や17時に閉店する理由(言い訳)です

洋服屋は12時からオープンして
20時や21時まで営業するところが多いんですが
京都という特殊な街のおかげで
一般的な会社のような勤務時間で生活できております

ただし
この8月〜9月の彼岸が明けるまで
日中13時〜16時くらいの間
人通りが激減します
これだけ暑ければ当然です

先日スタッフたちと話し合って
彼らの出勤する日は営業時間を
12:00〜19:00とすることにしました
このまままさに彼岸が明けるまで
サマータイム営業とすることにしました
私の出勤する日は相変わらず16、17時に閉めますが。。。

一応
随時人財探し継続しておりまして
環境が整えばもう少し営業時間を長くしたいとは思っております
期待せず、お待ちください

サマータイム営業日12:00〜19:00
(下記以外は〜17時まで)

8月
25、26、28日
9月
3、5、8、9、10、14、16、21、24、27、29日

晩夏に春を睨む

夏の勢いがなくなってきました
雲の姿
光の色
風の匂い
半月前とは明らかに違います

暑さに顔を顰めて通り過ぎる人々を
強めにかけている空調に震えながら
店内から眺めています
BGMのフィッシュマンズも歌っています
『季節の中を走り抜けてもうすぐ秋だね』

夏の名残で売れていくTEEシャツを見送っていたら
そろそろ新年の準備に取り掛からなくちゃいけない時期になりました
もうすでにいくつか生地を買い込んでいますが
まだ何を作るか決めていません
生地を睨みながら
最適な答えを探して彷徨う日々です

merphの10〜12月
そして新年明けて1月〜5月まで
ずっと繁忙期です
どれだけ魅力的なものが作れるか
そしてどれだけ仕込みを適正にできるか
比較的に暇な6月〜9月の間の仕事がものを言います

冬のコートの仕込みは終わりました
ここからはその向こう側の準備
まだぼんやりしているシェイプをくっきりさせていきます

さて、下半期

2023年から
これまでの当てずっぽうな生産を悔い改め
過去の販売履歴を研究して
何がどれだけいつ売れるのかを調べ上げ
可能性に対して最大限の在庫を拵えて
12ヶ月どの月もレコードを目指して営業してまいりました

今年で3年目のチャレンジ
merphの弱点の上半期を劇的な売り上げ増幅を成し遂げております
この勢いを下半期にいかに繋げるか
途切れなく魅力的な店頭を保てるか
油断せず
merphのコートを信じて進んで参ります

さて
ものの見事に店頭では海外の方や新規の国内の皆様に
35度超えてもコートをお求めいただいております
そして
顧客様には揃ってこの下半期に何を企んでいるのか
質問をたくさんいただいております

サンプルも整ってきましたので
そろそろ白状していこうと思います
こちらが今年の下半期の作品たちです

MR1198 
C/# black,walnut
fab.:super170’s wool melton
style:balmaccan

MR1199
C/# beige, navy
fab.:dead stock check & 66nylon
style:stand stand-collar coat

MR1201
C/#purple
fab.:dead stock wool check & taffeta
style:reversible balmacaan

MR1202
C/#olive,walnut
fab.:teddy boa & dead stock check
style:reversible coat bibs 

MR1203
C/#beige,gray
fab.:shaggy check
style:big shape field jacket

MR8002
C/#black,olive
fab.:water repellent PE twill
style:short down jacket

 

このほか
12COLLABORATIONSの新作も上がってきます
今年も関係各位の協力を得て
多種のコートとジャケットが製作できました
現在総合620着のコートが縫製進行中です
初動が好調な品番サイズはすぐさま追加します
早いものは9月から納品が始まり
11月中旬まで続々と仕上がってまいります

値段やサイズ展開の好評は少し先になりますので
まずデザインの吟味をお願いします

ARMY of me

ARMYの文字を平和な花々が駆逐していきます
miracoの名作ARMY of me TEEを
merphのドルマンラグランTEEにのせたこちらの作品
MR4158 merph x miracoが大好評です
瞬く間に在庫の1/3が旅立ちました

この優秀なデザインに負けないために
生地を必死に探した甲斐がありました
こちらの天竺
60番手の双糸なのに
かなりの度詰で張りが強く
その上サラサラとして肌触りがとても良いんです

しかし
そうは言ってもやはりこの胸の図案です
miracoの歴史を知る人にとっては
再び手に入れたい名作であり
通りすがりの世界中の方にとってもインパクトがあるようです

merphでプリントTEEシャツをやらない理由の一つが
それを見事に作り上げる人たちを知っているからなんです
単にグラフィックが優秀なだけでは
プリントTEEシャツとしては成り立ちません
そして洋服デザイナーとして優秀だとしても
プリントが全然優秀じゃないことは
よくあることです
洋服にプリントする上で
その技法と制限を理科した上で
グラフィックを制作しなければなりません
そうでなければ
プリントTEEシャツはグッズの範囲で素敵なものがたくさんあるので
そういうものに負けてしまいます
その上値段は5000円以下
3倍いただく上でしっかりとした理由が必要なんだと思います
悔しいですが
私にその才能はなく
もうやらないと決めています
しかし
運よく周りにその才能に溢れる人間がいるので
コラボレーションという手を使わせてもらいました

そして
灼熱の8月中旬
皆さんの中には旅行されたり
逆にお盆で休めない方がいらっしゃったり
家族に奉仕されていたり
そして何より
暑い
こんな時に買い物に出かけたくないと思います
そんな皆様に
普段30000円以上で送料無料のオンラインストア
8月9日〜17日まで30000円以下でも送料無料となっています
TEEシャツやショートパンツなど
1着でも送料無料となりますので
よかったらご利用ください

 

期間限定送料無料

merph onlinestore KAMMER
期間限定送料無料
2025年8月9日〜17日

通常30,000円以上で送料無料のところ
上記期間に限りそれ以下でも送料が無料となります

今年もお盆がやってまいりました
その期間(8月9日〜17日)オンラインストアの
送料無料金額設定を解除しております

MR4157
MR4158
MR4159black/white
MRN006
など
店頭でも活発に動いているTEEシャツなども送料無料となります

旗艦店の営業スケジュールは下記となります
8月9日  12:00〜19:00
8月10日 12:00〜19:00
8月11日 11:00〜17:00
8月12日 11:00〜17:00
8月13日 12:00〜19:00
8月14日 12:00〜19:00
8月15日 11:00〜17:00
8月16日 12:00〜19:00
8月17日 12:00〜19:00
諸事情により日々不規則な営業でご迷惑おかけします
毎日営業しておりますので
お近くにお越しの際はお立ち寄りください

新システム

スリーバック
ゼロトップ
サッカーにも画期的なシステムが突如現れることがあると思います
それは既存のやり方で真っ向勝負しても
強豪国に歯が立たず
自国の特性を活かす戦略を懸命に考えた結果生まれたものだと思います

洋服業界は長く呪いにかかっています
どんなに時間が流れて
気候が変動しても
黎明期に誰かが考えた
その当時画期的だった方法を皆がずっと続けています
もちろんそれを続けていく立場の人たちがるのもわかっています
しかし
盲目に右向け右で考えることをせず
歩いている人たちがたくさんいます

私もその一人でした
しかし早くからこの業界に身を置き
30歳で独立した時
はたと立ち止まって
ちょっと考えてみたんです
果たして皆が同じようにならなきゃいけないのか
そしてなれなかった人々は洋服を作る資格がないのか
目の前の当たり前は本当に自分にとって有効なのかと
そこで
どうせ期待されていないのなら
一度嫌なことを全てやめてみようと思い
次から次へと洋服業界のあたりまえを削除してみました
その結果
ご存知の通り
看板も名前もタグもない店が出来上がったわけです

そして辺境の地京都で
ただ洋服を造り自ら販売していく中で
大きな発見をしたんです
それがシーズンごとの製作の廃止です

サステナブルだ生産ロスだと言う割に
洋服の国の住人は皆
腐りもしない服に自ら大声で賞味期限を叫びます
20XX年SPRING SUMMER!!
20XX年AUTUM WINTER!!
半世紀以上前に画期的だったこのやり方は
当時大きくもてはやされ
セレブたちの社交場と合間見えて一時代を築いたのです
しかし
あれから50年60年の時が過ぎ
世界中がリアルタイムで可視化されて
社会全体が豊かになった今の世界では非効率で破滅的です
もう今や『流行』などというものが
旧メディアとともに滅びつつあります
個人に基軸を置いて
製作者は自分で発信し
消費者は自分で選択しています
この状況になるまで
情報を手に入れる術のない時代
その伝達役としてバイヤーやジャーナリストが
洋服の普及に一役買った時代は確かにありましたが
その時代にあまりにも無責任に振る舞い過ぎたため
製作者と消費者が直接繋がれる現代において
これまでの彼らの発信した情報の希薄さが露呈してしまい
その居場所を瞬く間に失ってしまいました。
もちろん本物もいました
そして本物は今もなおその信頼を失っていません
しかし残念ながらその大半は大きな勘違いをして
洋服の界隈にただたまたまいただけなのに
世界を支えているような気になっていたのでしょう
私の知人のファッションジャーナリストの中には
『私は上級国民だ』と発言した者もいました
まさに裸の王様です

merphは京都という国際都市で
無差別に世界中の人々に極力情報を公開せず
ガラス張りの店で剥き出しで洋服を展示してきました
たったそれだけのことで
呪いにかかっていた頃(展示会をして取材を受けていた頃)と比べ
店舗売り上げが4倍になりました
単にインバウンドの恩恵を受けただけではなく
洋服を売るシステム自体を変えた結果です

バイヤーやジャーナリストがとりあえず言う
『merphの世界観が見たい』という初々しい初期呪文
これに踊らされてフルアイテムの企画し続けてきましたが
そんな必要は全くないんです
シンプルなシャツやカットソー、パンツの製作など
今やユニクロに任せれば良いのです
我々が半年待っても使わしてもらえないミシンで
美しいTシャツを作って1000円で売ってくれます
某ブランドと同じデニムを使ってそれより遥かに美しく縫い上げて
1/10の値段で売ってくれます
だから
merphはとにかくコートを作ります
そこが一番得意であり成果をあげるから
その中でこれはどうしても作りたいと思えるTEEシャツやパンツは
コートの生産数の1/4程度は作ります
しかしコートに関しては
初回100〜200生産して
初動が活発ならば
すかさず50枚単位で追加生産をします
それらが完売するとすぐさま新しいコートを生産します
季節で無理に区切らず
売れるものを売りまくって
完売を待たず次から次へと新作をリリースする
だから定番なんてありません
ずっと新作をリリースしていきます
この生産サイクルとシステムが実に効率が良く
merphの最適解なのです
春夏
秋冬
さらに20XX年と
カテゴライズ(賞味期限表示)することがグローバルになった今の時代では
ナンセンスなんです
merph旗艦店は夏でもコートが売れ続けます
南半球北半球の季節の違いだけでなく
『気に入ったコートを見つけたら
それを今着なくても手に入れたくなる
ただし、その価値があれば』
merphのコートを買ってくれた人たちにそう教えてもらいました
世に漠然と需要があり
そこに目掛けて商材を投入する
大量生産大量消費のマーケティングを我々がやっても
どこにも攻め込む隙は見つからないんです
だから
merphのコートと現代の環境と京都という国際都市
全ての要素から絞り出した新しいシステムで
洋服業界のカッチこちの脳みそに
風穴を開けていくのです

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