午前二時の決意と尿意

昨夜は東京から京都に居を戻して以来
ずっと世話になってる先輩と一献
近況報告と昔話とほんの少し仕事の話をした
若く見える先輩も確実に初老の階段登り始め
三軒目に向かう足取りは
派手な千鳥足だった

故郷でもない街に巣食って随分長くなった
行きつけの店も増えたし
行けない店も増えた
いつのまにか京都の道もほぼ頭に入り
21時以降一方通行が解除される抜け道を通ってくれと
タクシーの運転手さんに指示するまでになった

単純に自分の歳を数えてもゾッとするが
それよりも
京都に戻りたてのころ
オムツ変えてやってた友人の息子が
もうあと二、三年で一緒に酒を飲みに行ける歳になる事実に
歳をとったことをより実感する
夢見る中年がグズグズしてる間に
年下の大人が着実に増えていく
偉そうに今までああだこうだ言ってきたおじさんは
彼らにバカにされない様に生きていくかなくてはいかん
店を出る時トイレに行かなかったことを後悔しながら
午前2時の帰り道
猛烈な尿意をごまかしながら決意した

明けて本日
生まれ変わったおじさんは

 

 

 

 

携帯を忘れて20分遅刻した

瑠璃の季節

桜の花が次々と開いています
四月になった途端
春だって気づいたようです

でも
桜はあっという間に散ります
突然咲き
潔くちる
男としてはそうありたいと思いますが
社長としてはそういうわけにはいかないんです
だからでしょうか
その後やってくる瑠璃の京都が好きです

桜の木がはをつけて次第に山が緑に染まり
梅雨前に蛍が現れるまで
じっくり命を蓄えていくようで
静かだけど力強さを感じます

桜や紅葉もいいですが
瑠璃色の京都もおすすめです

ちなみにそんな時期は
小鮎の天ぷらで黒ラベルでございます

幾度目の起動

今年の秋もまた
team merphは新しいことを始めます
そのためにも大前提として必要なものは
新しいシーズンの作品群
その作品群に必要なものは
ヨダレのでるような生地と
鳥肌の立つような新しいデザイン

桜の蕾も膨らんで来ました
そろそろ始めます

桜待ち

大学3年生の冬にこの業界の門を叩いて以来
三月中旬から四月中旬までは
展示会という兵役に駆り出され
花見というものをろくにしたことがありません
数年前から住んでいる自宅の前には
実に立派な桜が見事な花を咲かせるのに
出張に出る頃咲き始め
出張から帰ると散っておりました
昨年まで、は。

そう
そうなんです
merph
展示会
やめたんです
今年から桜が咲くとき
結構暇なんです
自宅の二階の窓を開ければ
毎日が花見酒でございます

というわけで
そろそろ二階の模様替えであります
花見フォーメーションであります
窓の外へソファを向けて
テーブルを窓際へ
黒ラベルの仕入れを始めます

美しき嫌われ者

白い服は美しい
春になると白い服を作りたくなる
でも白は嫌われる
美しすぎると嫌われる

汚れるから
膨張するから
目立つから

だからどうした
美しいものを作らなくてどうする
作りたいものを作らなくてデザイナーか?
白い服を作ることは
デザイナーの挑戦状

白にさすオレンジ
オレンジに染まる白
今年のmerphの白い挑戦状
受け取る猛者を待つ

 

命を喰らえ

疲れが溜まった時には
赤い肉を食うべし
煮物を欲する胃袋に
肉汁滴るロースステーキを叩き込んだ

三月がもう終わろうとしている
今月は仕事をしまくった
頭も使ったし体も使った
初老に差し掛かる巨体は
花粉の地味な攻撃も重なり
悲鳴をあげていた
久しぶりに腰の爆弾の時限装置も動き出した
このままではまずいと思った昨夜
二軒目でまさかの牛ロースステーキ
これが効いた
浴びるように飲んだ酒も残らず
6時29分に目が覚めた

命が削れたら
命を喰らう
ありがたく
美味しく頂いた

 

 

利家先輩

二泊三日の金沢出張から戻りました
昨年から幾度となく通った金沢
土地勘もめざましく冴え渡り
もう片町の交差点から逆へ向かって
暗闇に迷い込むこともなくなりました

『視察』
なんとも都合の良い大義名分を掲げ
旨いものを食らって仲間と夜通し酒を浴びてまいりました

好き勝手ばかりでは無礼と思い
我々の様な黒装束の一団の暗躍を
どうか暖かく見守っていただきたいと
香林坊の尾山神社に参拝してまいりました
五円玉を丁寧にスローイングし
二礼二拍手一礼
前田利家公にこうべを垂れてまいりました
聞けば前田利家公は名古屋市中川区のご出身とか
それも我が母校の近くであります
弊社Sanctumも最初豊臣秀吉公の作られた寺町通で始めました
秀吉公も名古屋市中村区のご出身
会社設立の直後
偶然高野山に旅行して
参道の横にある墓にお参りした後
しばらく快進撃が続きました
さあ利家先輩
尾張名古屋から参りました野武士に
一つ加賀の地にご縁を
期待しております

 

金沢首脳会談

今月は出張が多い
定例の広島から始まり
久しぶりの東京
そして明日から金沢へ

時々思う
果たして僕の出張は『出張』と呼んで良いのだろうか

例えば広島だったならば
現地についてまずは店に行く
そこですることといえば
ソファに座り
横に置いてあるテイラーを奏でて珈琲をねだる
それから今夜の打ち合わせ(飲み会)の店を真剣に考える
そして閉店時間を待たずしてさっさと酒場に向かい
二軒目はあそこに三軒目はあの人の店にと指図する
二日目はゆっくりと起きて
すでに大方覚えた街の中で昼飯を食い
時折会食などもするが滅多になく
また昼下がりから店に行き
ソファに座り
横に置いてあるテイラーを奏でて珈琲をねだる
それから今夜の親睦会(飲み会)の店を真剣に考える
そして閉店を待たずしてさっさと酒場に向かい
二軒目は昨日と違うあそこに三軒目は今夜もあの人の店にと指図する
わざわざ言うまでもないが
広島に飲みに行っているのだ
でも
これでいいと思っている
広島に行って
僕が活躍するようじゃ
ダメなわけだ
でも
ほったらかしじゃダメなわけだ
結果
やれることといえば
二泊くらいで赴いて
広島の旨いものを食らって酒を飲むことぐらいしかないわけだ
それを繰り返してるうちに
なんだか次の出張先が生まれてしまったりするわけだ

まさに
二月の広島出張に参加したある人物加え
meprhの首脳陣3人は明日金沢へ向かう
そう『出張』なのである

そうだ、京都に居た

健康のため
減量のため
考思のため
毎日ではないが
できるだけ歩いて出勤している
鹿ケ谷から堺町六角までは50分かかる
距離にしておよそ4km
少々意思をしっかり持たないと
途中MKの誘惑に負けそうになる
そんな僕のシャボンのメンタルを守るのは
音楽と風景
iPhoneにearphone差し込んで
ちょっと大きめの音で『アイナハイナ』を聴きながら歩き出す
まずは自宅周辺のやがて咲く桜の蕾をチェックしながら坂を下る
そこからしばらく殺風景な丸太町通を我慢
岡崎道で左折して平安神宮へと向かう
ちょっと足を止めて社を詣り
広場を斜めに抜けて二条通りへ
そこから次に目指すのは鴨川
それを越えればあとは毎夜彷徨う酒場の前を数件過ぎれば
我が箱庭に到着

ただの出勤も観光になってしまうのが
この街の良いところ
実家の名古屋や仕事で東京、広島、金沢と行き来して楽しんでいると
不思議なもので京都のことも今まで以上に楽しめて来た
忙しい忙しいと眉間に皺寄せてばかり居ずに
ちょっとゆとりを持って歩いて出勤
続けていきたい

highlander

バルマカーン
所謂
ステンカラーコート
merphではメンズでもウィメンズでもリリースしています
素材も付属も同じですが
パターンは別々で製作しています
襟の形と大きさと前下がり
ベントの有無
着丈の割合
一致する場所はありません
結論
別物です

そして
今回の春の作品で楽しんでいただきたいのが
裏地の配色
赤 青 オレンジ グリーン
様々な色をコントラストをつけて配色しました

着用時はもちろん
脱いで眺めた時も
しっかり作りこんだ洋服を選んだと思ってもらえるように
そう思って細部を作り込んでいます
明日も着たくなる服
それが
洋服を作る上で全ての作品における共通コンセプトです

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